MENU

食欲を抑える薬はどれを選ぶべき?処方薬・市販薬の種類と正しい使い方

「運動や食事制限だけではどうしても食欲をコントロールできない」と悩んでいる方は少なくありません。

そうした場面で選択肢に上がるのが、食欲を抑える薬の活用です。

しかし、処方薬と市販薬では効果の強さもリスクもまったく異なります。

安易に手を出す前に、それぞれの特徴や正しい使い方を知ることが大切です。

この記事では、医療機関で処方される薬の種類や作用メカニズム、市販のサプリ・漢方の実力、さらに薬と組み合わせたい生活習慣の工夫まで幅広く解説します。

自分に合った方法を見つけるための参考として、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

食欲を抑える薬で本当に痩せられるのか──期待できる効果と限界ライン

食欲を抑える薬に興味を持つ方の多くは「これさえ飲めば自然に痩せるのでは」という期待を持っているかもしれません。

たしかに、食欲抑制薬は空腹感を和らげたり、少量の食事で満足しやすくなる効果が報告されています。

薬だけで劇的に体重が落ち続けるわけではなく、食事や運動の見直しがあってこそ本来の効果を発揮します。

食欲を抑える薬に期待できること、そして期待しすぎてはいけないことを整理してみましょう。

  • 過剰な空腹感が和らぎ、間食や暴食のコントロールがしやすくなる
  • 食事量が自然に減ることで、1日の摂取カロリーが抑えやすくなる
  • 減量の初期段階でモチベーションを維持する助けになる
  • 薬単体では筋肉量の維持や基礎代謝の向上は期待できない
  • 服用を中止した後に生活習慣が変わっていないと体重が戻りやすい

このように、薬はあくまで「食欲という壁を一時的に下げてくれるサポーター」と考えるのが現実的です。

薬の力を借りている間に、太りにくい習慣をどれだけ身につけられるかが最終的な成否を分けるでしょう。

食欲を抑える薬が体内で作用するメカニズムを理解する

食欲を抑える薬は、大きく分けて「中枢神経作用型」と「ホルモン作用型」の2系統に分類できます。

中枢神経作用型は、脳の視床下部にある食欲中枢に直接働きかける仕組みです。

代表的なサノレックス(マジンドール)は、ノルアドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質に作用して空腹感そのものを感じにくくさせます。

一方、ホルモン作用型であるGLP-1受容体作動薬は、もともと腸から分泌されるインクレチンというホルモンの働きを強める薬です。

胃の動きをゆっくりにして満腹感を長持ちさせるため、食事量が自然に減少しやすくなります。

比較項目中枢神経作用型(サノレックス系)ホルモン作用型(GLP-1系)
主な作用部位脳の視床下部(食欲中枢)消化管・膵臓・脳の複数領域
代表的な薬サノレックス(マジンドール)リベルサス・オゼンピックなど
食欲への影響空腹シグナルを直接抑える満腹シグナルを増強する
投与方法内服(錠剤)内服(錠剤)または注射
作用の持続感服用中は比較的速やかに実感徐々に食欲が落ち着く傾向

この表からもわかるように、同じ「食欲を抑える」と言ってもアプローチがまったく異なります。

自分の体質や目的に合った系統を選ぶことが、効果を実感するための第一歩になるでしょう。

薬を使った食欲コントロールが向いている人・向いていない人

食欲を抑える薬は、すべての人に適しているわけではありません。

医師が処方を検討する際には、BMI値・既往歴・生活習慣の状態を総合的に判断します。

まず、薬を使った食欲コントロールが向いている人の特徴を見てみましょう。

  • BMIが35以上の高度肥満で、食事療法や運動療法を続けても効果が出にくい方
  • 食欲が極端に強く、意志力だけではどうしてもコントロールが難しい方
  • 糖尿病や脂質異常症など肥満に関連する合併症の改善が急がれる方
  • 医師の指導のもとで定期的に通院し、経過観察を受けられる方

反対に、向いていない方の特徴もあわせて把握しておきましょう。

  • BMIが低めで、美容目的のみで薬に頼ろうとしている方
  • 薬物依存の既往歴がある方やメンタルヘルスに問題を抱えている方
  • 生活習慣の改善にまったく取り組む意思がなく、薬だけで痩せたい方

薬はあくまで治療の一手段であり、前提として生活改善への意欲が求められます。

自分が本当に薬を使うべき段階にあるかどうか、まずは医療機関で相談してみることをおすすめします。

医療機関で処方される食欲を抑える薬──主要な3タイプを比較する

医療機関で使われる食欲を抑える薬には、作用の仕組みや費用が大きく異なる複数のタイプがあります。

処方薬を検討するなら、それぞれの特徴を正しく理解してから医師と相談することが重要です。

主に処方されることが多い3タイプを比較すると、以下のような違いがあります。

比較項目サノレックス(マジンドール)GLP-1受容体作動薬SGLT2阻害薬
主な成分名マジンドールセマグルチド・リラグルチドなどダパグリフロジン・エンパグリフロジンなど
作用の仕組み脳の食欲中枢を直接抑制満腹ホルモンの作用を強化腎臓で糖の再吸収を抑え尿中に排泄
投与方法内服(1日1〜3回)内服(1日1回)または週1回注射内服(1日1回)
保険適用あり(BMI35以上など条件付き)糖尿病治療には適用あり。肥満治療では自由診療が中心糖尿病治療には適用あり。肥満目的は自由診療
月額費用の目安保険適用時は約1,000〜3,000円自由診療で月2〜5万円程度自由診療で月1〜3万円程度
処方期間の制限最長3か月医師の判断による医師の判断による

SGLT2阻害薬は直接食欲を抑える薬ではありませんが、肥満治療の補助として処方されるケースが増えています。

どのタイプが自分の体質や予算に合うかは、医師と相談しながら判断するのがベストです。

サノレックス(マジンドール)の特徴と処方される条件

サノレックスは、国内で唯一、厚生労働省に承認された食欲抑制薬として知られています。

一般名はマジンドールで、脳の食欲中枢に働きかけて空腹感を強力に抑える作用があります。

ただし、誰でも処方してもらえるわけではなく、厳格な条件が定められています。

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開しているサノレックスの添付文書には、次のように記載されています。

あらかじめ適用した食事療法及び運動療法の効果が不十分なBMIが35以上の高度肥満症の患者に限り、投与期間は3か月を限度とすること。

出典: 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「サノレックス錠0.5mg 添付文書」

つまり、BMI35未満の方には原則として保険適用での処方はなされません。

また、依存性のリスクがあるため投与期間は最長3か月に制限されており、漫然とした長期使用は認められていません。

サノレックスを検討する際は、自身のBMI値と治療歴を医師に正確に伝えたうえで、適応かどうかを確認してもらいましょう。

リベルサス・オゼンピックなどGLP-1系薬剤が注目される理由

近年、ダイエット目的でとくに注目を集めているのがGLP-1受容体作動薬です。

リベルサス(内服薬)やオゼンピック(注射薬)といった薬がよく話題に上がります。

GLP-1系薬剤は、もともと2型糖尿病の治療薬として開発されましたが、体重減少効果が大きいことから肥満治療にも広がりました。

GLP-1系薬剤が注目される主なメリットとして、以下の点が挙げられます。

  • 満腹感が長く続くため、無理なく食事量を減らしやすい
  • サノレックスのような強い依存性のリスクが報告されていない
  • 内服タイプ(リベルサス)なら注射への抵抗がある方でも始めやすい

一方で、注意しておきたい点もあります。

  • 肥満治療としての使用は自由診療が中心で、月額2〜5万円程度の費用がかかる
  • 吐き気・下痢・便秘などの消化器系の副作用が初期に出やすい
  • オンライン診療のみで処方されるケースでは十分な経過観察が行われないリスクがある

手軽さだけに飛びつかず、信頼できる医療機関で対面の診察を受けたうえで使い始めることが安全です。

GLP-1系の薬は魅力的な選択肢ではあるものの、適切な医療管理のもとで使うことが前提になります。

サノレックスとGLP-1系の薬はどこが違うのか──選び方の判断基準

サノレックスとGLP-1系薬剤はどちらも食欲を抑える薬ですが、中身はかなり異なります。

自分に合った薬を選ぶには、作用の仕組み・費用・副作用・使用期間などを多角的に比較することが大切です。

両者の違いを8つの項目で整理しました。

比較項目サノレックス(マジンドール)GLP-1受容体作動薬
作用部位脳の食欲中枢消化管・膵臓・脳の複数領域
食欲抑制の仕組み空腹感を直接ブロック満腹感を持続させる
投与方法錠剤を1日1〜3回内服内服(毎朝1回)または注射(週1回)
保険適用BMI35以上で条件を満たせば適用肥満目的では原則自由診療
月額費用の目安保険適用時は約1,000〜3,000円自由診療で月2〜5万円程度
使用期間の制限最長3か月明確な上限なし(医師判断)
代表的な副作用口渇・便秘・不眠・依存性吐き気・下痢・便秘
依存性リスクあり(アンフェタミン類似構造)現時点で大きな報告なし

費用を最小限に抑えたい方で、BMI35以上の条件を満たすならサノレックスが第一選択になることが多いでしょう。

一方、BMI35未満だが医学的に減量が必要な方や、3か月以上のサポートを求める方にはGLP-1系が候補に入ります。

最終的な判断は自己判断で行わず、必ず医師の診察を受けたうえで決定してください。

食欲を抑える薬を使うときに知っておくべきリスクと注意点

食欲を抑える薬はダイエットの強力な味方になりえますが、リスクをきちんと理解しておく必要があります。

とくに個人輸入や非正規ルートでの入手は、安全性が保証されないため避けるべきです。

薬を使い始める前に、最低限確認しておきたい項目があります。

  • 現在治療中の病気や服用中の薬を医師にすべて伝えているか
  • 妊娠中・授乳中ではないか(多くの食欲抑制薬は禁忌)
  • 薬物やアルコールへの依存歴がないか
  • 定期的に通院して血液検査や体重測定を受けられるか
  • 海外通販や個人輸入ではなく、国内の医療機関から処方を受けているか

これらの確認を怠ると、副作用の発見が遅れたり、健康被害につながるおそれがあります。

食欲を抑える薬を安全に活用するためには、医師との密なコミュニケーションが欠かせません。

代表的な副作用と体に現れるサイン

食欲を抑える薬を服用すると、薬剤のタイプによってさまざまな副作用が現れる可能性があります。

あらかじめ起こりうる症状を知っておけば、異変に早く気づいて適切に対処できます。

薬剤タイプ別に報告されている主な副作用を表にまとめました。

薬剤タイプ代表的な副作用発現しやすい時期注意すべきサイン
サノレックス(中枢神経作用型)口渇・便秘・不眠・動悸・めまい服用開始直後〜数週間動悸が強い、眠れない日が続く
GLP-1受容体作動薬吐き気・嘔吐・下痢・便秘・腹痛投与開始初期〜数週間嘔吐が止まらない、強い腹痛
SGLT2阻害薬頻尿・脱水・尿路感染症・低血糖服用期間を通じてのどの渇きが異常に強い、排尿時の痛み

多くの副作用は服用初期に出やすく、体が慣れるにつれ軽減するケースもあります。

しかし、動悸が激しい場合や嘔吐が止まらない場合は、すぐに服用を中止して医師に連絡してください。

「よくある副作用だから」と自己判断で我慢し続けるのは危険です。

服用をやめた後に体重が戻りやすい原因と防ぎ方

食欲を抑える薬の服用を中止すると、体重が元に戻ってしまう「リバウンド」が起きやすいとされています。

薬によって抑えられていた食欲が戻るうえに、減量中に落ちた基礎代謝が回復していないことが主な原因です。

この現象は研究でも確認されています。

STEP 1延長試験では、セマグルチド(週1回2.4mg)を68週間投与後に中止したところ、中止から1年後に減量分の約3分の2が回復したと報告されています。

引用元: Wilding JPH, et al. “Weight regain and cardiometabolic effects after withdrawal of semaglutide” Diabetes, Obesity and Metabolism. 2022.

この結果からわかるように、薬をやめただけでは体重維持は難しいのが現実です。

リバウンドを防ぐためには、薬を使っている期間中に食事内容の改善や運動習慣の定着を並行して進めることが欠かせません。

「薬をやめた後の生活」を服用中から具体的にイメージし、準備を進めておくことが最大のリバウンド対策になるでしょう。

ドラッグストアや通販で手に入る市販の食欲対策サプリ・漢方の実力

処方薬に抵抗がある方や通院が難しい方にとって、ドラッグストアや通販で購入できる市販品は身近な選択肢になります。

ただし、市販品と処方薬ではエビデンスの質や効果の強さに大きな差がある点を理解しておく必要があります。

市販で手に入る代表的な選択肢を比較してみましょう。

種類代表的な商品例期待できる効果レベル入手方法
漢方薬(第2類医薬品)防風通聖散・大柴胡湯体質に合えば穏やかな効果が期待できるドラッグストア・通販
機能性表示食品葛の花由来イソフラボン配合品など一定のエビデンスあり、ただし効果は限定的ドラッグストア・通販
一般的なダイエットサプリギムネマ・キトサン・カフェイン系など科学的根拠が弱い、もしくは不十分通販・ドラッグストア

漢方薬は医薬品として効能が認められていますが、体質との相性が結果を大きく左右します。

サプリメントは手軽に試せる反面、食欲を直接抑える効果が科学的に証明されているものはほとんどありません。

市販品に過度な期待を寄せるよりも、自分の体質と目的に合った選択を冷静に見極めることが大切です。

防風通聖散や大柴胡湯など漢方薬のアプローチ

漢方薬は、食欲を直接的にブロックするのではなく、体の代謝や消化機能を整えることで間接的に食欲をコントロールするアプローチをとります。

防風通聖散はお腹周りに脂肪がたまりやすい「実証」タイプの方に向いており、便秘の改善や脂肪代謝の促進が期待されます。

大柴胡湯はストレスから過食しやすいタイプの方に処方されることが多く、肝臓の働きをサポートする作用があります。

漢方は西洋薬と異なり、体質(証)に合っていないと効果が出にくいのが特徴です。

漢方薬を選ぶ際に意識したいポイントがあります。

  • 自分の体質が「実証」か「虚証」かを薬剤師や医師に相談して判断する
  • 効果が出るまでに2週間〜1か月程度かかることを理解しておく
  • 漢方だからといって副作用がゼロではない点を認識しておく

とくに3つ目の点は見落とされがちですが、防風通聖散には下痢や腹痛、肝機能への影響が報告されています。

漢方薬も「薬」であることを忘れず、体調の変化を感じたら速やかに医師や薬剤師に相談しましょう。

市販サプリに「食欲を抑える」効果はどこまであるのか

ギムネマやカフェイン、食物繊維系のサプリは「食欲を抑える」効果をうたって販売されていることがあります。

しかし、これらのサプリメントは医薬品ではなく、臨床的に食欲抑制が証明されたものはごく限られています。

消費者庁も健康食品の効果表示について注意喚起を行っています。

健康食品の中には、「飲むだけで痩せる」などの過大な表現で販売されるものがあり、十分な科学的根拠がないまま効果を標榜する製品が少なくありません。

引用元: 消費者庁「健康食品の表示について」

食物繊維系のサプリは食前に摂取することで一時的な満腹感を得られる可能性がありますが、それは食欲を「抑える」というよりも物理的にお腹を膨らませている作用に過ぎません。

カフェインには覚醒作用を通じた軽度の食欲抑制効果が示唆されていますが、耐性がつきやすく長期的な効果は限定的です。

サプリは「あくまで補助」として位置づけ、薬のような効果を期待しすぎないことが健全な使い方と言えるでしょう。

食欲を抑える薬と一緒に取り組むと減量効果が上がる生活習慣

食欲を抑える薬の効果を最大限に引き出すには、薬に任せきりにしない生活習慣の改善が不可欠です。

とくに食事内容・運動・睡眠の3つを同時に整えることで、薬をやめた後も体重を維持しやすくなります。

薬の服用期間中に意識したい生活改善のポイントを整理しました。

  • 毎食タンパク質を手のひら1枚分は確保し、筋肉量の低下を防ぐ
  • 1日20〜30分のウォーキングなど無理のない運動を習慣にする
  • 睡眠時間を7時間前後確保して、食欲ホルモンの乱れを防ぐ
  • 食事の記録をつけて、自分の食べ方のクセを客観的に把握する
  • ストレスを食事以外で発散する方法を少なくとも1つ見つけておく

これらは薬の有無にかかわらずダイエットの基本ですが、薬で食欲が抑えられている間は取り組みやすいという利点があります。

薬が効いているうちに新しい習慣を体に染み込ませることが、長期的な減量成功のカギになるでしょう。

食欲を自然にコントロールしやすい食事の組み立て方

食欲を抑える薬を使っていても、食事の質が悪ければ十分な減量効果は得られません。

血糖値の乱高下を防ぎ、満腹感が長続きする食事構成を意識することが重要です。

食欲を安定させやすい1日の食事スケジュール例を紹介します。

時間帯食事内容の例ポイント
朝(7〜8時)卵料理+全粒粉パン+野菜サラダタンパク質を最初に摂り、血糖値の急上昇を防ぐ
昼(12〜13時)鶏むね肉や魚+雑穀ごはん+味噌汁+副菜炭水化物は食物繊維が豊富なものを選ぶ
間食(15時頃)ナッツ少量またはプレーンヨーグルト空腹を感じる前に少量摂って過食を予防する
夜(18〜19時)魚や豆腐中心のおかず+野菜多めの汁物炭水化物は控えめにし、就寝の3時間前に食べ終える

食事の順番も大切で、最初に野菜やタンパク質を食べてから炭水化物を摂ることで血糖値の上昇が緩やかになります。

また、1日を通してこまめに水分を摂ることで、のどの渇きを空腹と勘違いするのを防ぎやすくなります。

薬で食欲が抑えられているうちに「正しい食べ方」を体に覚えさせることが、減薬後のリバウンド予防にもつながります。

薬に頼らない段階へ移行するためのステップ

食欲を抑える薬はあくまで一時的なサポートであり、最終的には薬なしで体重を維持できる状態を目指す必要があります。

急にやめるのではなく、計画的に減薬・卒業していく流れをつくることが成功のポイントです。

薬からの卒業に向けた3つのステップを紹介します。

  • ステップ1として、主治医と相談のうえで減薬のタイミングと方法を決める。自己判断での中止は体調悪化やリバウンドの原因になるため避ける
  • ステップ2として、薬の量を減らしながら食事記録や運動量の振り返りを行い、薬なしでも食欲をコントロールできているか確認する
  • ステップ3として、完全に薬を中止した後も月1回程度の通院を続け、体重や血液検査の値に異変がないかモニタリングする

とくにステップ2の段階では、「薬が減っても食べすぎていない」という成功体験を積み重ねることが自信につながります。

焦らず段階的に移行することで、薬に頼らない自分を少しずつ取り戻していけるでしょう。

食欲を抑える薬にまつわるよくある疑問

食欲を抑える薬に興味を持ちながらも、不安や疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。

正しい情報を得ることで、不要な心配を減らし、適切な判断ができるようになります。

読者の方からよく寄せられる悩みのパターンを整理しました。

  • 市販で買えるのか、病院に行かなければ手に入らないのかがわからない
  • 副作用がどの程度なのか、自分の持病でも使えるのか不安
  • サノレックスとGLP-1系の違いや費用感がつかめない
  • 保険が使えるかどうかで費用が大きく変わるので事前に知りたい
  • やめた後にリバウンドするのが怖くて踏み出せない

こうした疑問について、ひとつずつ回答していきます。

食欲を抑える薬はドラッグストアなど市販で購入できるのか

結論から言うと、医療用の食欲抑制薬はドラッグストアや通販で購入することはできません。

サノレックスやGLP-1受容体作動薬は処方箋が必要な医療用医薬品であり、医師の診察なしに入手する正規の方法はないのです。

一方で、市販で購入できるものもあります。

  • ドラッグストアで買えるもの…防風通聖散・大柴胡湯などの漢方薬(第2類医薬品)、ギムネマや食物繊維系のサプリメント
  • 処方箋が必要なもの…サノレックス(マジンドール)、リベルサス・オゼンピックなどのGLP-1受容体作動薬
  • 絶対に避けるべきもの…海外からの個人輸入品や非正規ルートで販売されている医薬品

海外通販で販売されている食欲抑制薬の中には、成分表示と実際の含有成分が異なる粗悪品が混在しているケースも報告されています。

安全性を考えるなら、医療機関で正規に処方を受けるか、薬剤師に相談のうえで市販の漢方薬を選ぶのが安心です。

食欲を抑える薬で起こりうる副作用やリスクにはどんなものがあるか

食欲を抑える薬の副作用は、短期的なものと長期使用に伴うリスクに分けて考えるとわかりやすくなります。

薬の種類によって起きやすい症状が異なるため、自分が使用する薬の特徴をあらかじめ把握しておくことが大切です。

分類具体的な症状・リスク関連する薬剤タイプ
短期的な副作用口渇・便秘・不眠・動悸サノレックス
短期的な副作用吐き気・下痢・嘔吐・腹部膨満感GLP-1受容体作動薬
短期的な副作用頻尿・脱水・低血糖SGLT2阻害薬
長期的なリスク精神的依存・耐性の形成サノレックス
長期的なリスク膵炎・胆石のリスク上昇の可能性GLP-1受容体作動薬
個人輸入品のリスク成分不明・過剰摂取・重篤な健康被害非正規ルートの全般

とくに注意が必要なのは、個人輸入品による健康被害です。

正規の医療機関で処方された薬であれば副作用が出ても迅速に対応してもらえますが、非正規品ではそのサポートが受けられません。

「安く手に入るから」という理由だけで個人輸入を選ぶのは、命に関わるリスクを伴う行為であることを認識しておきましょう。

サノレックスとリベルサスなどGLP-1系の薬はどう使い分けるのか

サノレックスとGLP-1系薬剤の使い分けは、主に「保険適用の可否」「肥満の程度」「費用負担」の3つの観点で判断されます。

どちらが優れているという単純な比較ではなく、患者一人ひとりの状態に合わせた選択が求められます。

使い分けを考えるうえでの判断ポイントを整理しました。

  • BMI35以上で保険適用の条件を満たし、短期集中で食欲を抑えたい場合はサノレックスが第一候補になりやすい
  • BMI35未満でも医学的に減量が必要な場合や、3か月以上のサポートが欲しい場合はGLP-1系が選択肢に入る
  • 費用面では保険適用のサノレックスが圧倒的に安く、GLP-1系は自由診療のため月数万円の負担を継続できるかが判断材料になる

また、サノレックスは依存性リスクのため精神疾患の既往がある方には処方されにくい傾向があります。

GLP-1系は消化器症状が出やすいため、胃腸が弱い方には慎重な判断が必要になるでしょう。

いずれにしても自己判断で決めるのではなく、医師に現在の体重・持病・生活状況を伝えたうえで最適な薬を選んでもらうことが重要です。

食欲を抑える薬に保険は使えるのか──治療費の目安はいくらか

食欲を抑える薬の費用は、保険適用かどうかで大きく変わります。

現時点で肥満治療目的に保険が適用される食欲抑制薬は、サノレックス(マジンドール)のみです。

保険適用時と自由診療時の費用目安を比較してみましょう。

薬剤保険適用の有無月額費用の目安備考
サノレックスあり(BMI35以上など条件付き)約1,000〜3,000円(3割負担)最長3か月の処方制限あり
リベルサス(GLP-1内服)肥満治療では自由診療約2〜4万円クリニックにより価格差が大きい
オゼンピック(GLP-1注射)肥満治療では自由診療約3〜5万円週1回の自己注射
ウゴービ(GLP-1注射)2024年より肥満症に保険適用保険適用時は数千円〜(条件あり)対象施設が限定されている

2024年に登場したウゴービは、BMI27以上で合併症がある場合などに保険適用となる可能性があり、注目されています。

ただし、処方できる医療機関が限られているため、すべての方がすぐに保険で使えるわけではありません。

費用面で無理のない選択をするためにも、まずは肥満外来のある医療機関で相談し、保険適用の可能性を確認してみるとよいでしょう。

食欲を抑える薬の服用をやめるとリバウンドしやすいのか

結論としては、食欲を抑える薬をやめた後にリバウンドする可能性は決して低くありません。

これは薬の効果で抑えられていた食欲が元に戻ることに加え、減量中に基礎代謝が下がっていることが関係しています。

日本肥満学会のガイドラインでも、薬物療法の中止後には体重のリバウンドが起こりうることが示されています。

肥満症薬物療法においては、薬剤中止後の体重再増加がしばしば問題となる。食事療法・運動療法の継続と行動療法の併用が、体重維持において重要である。

引用元: 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」

この指針にもあるように、薬を使っている間に食事習慣と運動習慣をどれだけ定着させられるかがリバウンド防止の要になります。

薬をやめるタイミングも重要で、急に中止するのではなく、医師と相談しながら段階的に減薬していくことが推奨されています。

リバウンドは防げないものではなく、準備と計画次第で十分にコントロールできるものと捉えておきましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次